ずっとこの空の下で2

もう会えない君も今この空の下にいる。

島根の旅⑫出雲大社門前~古代出雲歴史博物館

島根旅行三日目です。妻の夢であった出雲大社参拝が出来ました。既に暑さでヘロヘロですが、出雲大社前の門前街をめぐります。

二番目の鳥居の前にある神門通りは賑やかな門前街です。

この門前にある老舗旅館の竹野屋旅館さんがレトロないい雰囲気です。

こちらは竹内まりやさんのご実家だそうです。館内には竹内まりやさんご夫婦の曲が流れているのだとか。最近は竹内まりやさんも関係してリニューアルされて館内はきれいだそうで。出雲宿泊の際は気になる旅館です。老舗らしい伝統的な趣を求めるならこちら、温泉とアミューズメントっぽい施設を求めるなら我々が泊まった佳雲さんだと思います。

さて、暑さでヘロヘロでのどが渇いた私たちは、どこかお店に入って休もうと。

通りに入ってすぐのお店に入りました。

くつろぎ和かふぇ・甘右衛門さんです。

なかなか店内もいい感じ。甘味処という感じでメニューも豊富ですが、私たちはとにかくのどが渇いていたのと、旅館の朝食をたくさん食べたのでまだ食べられない状態なので飲み物のみのオーダー。

妻は冷たい出雲煎茶。

私はアイス抹茶オレ。

これはおいしいです。香りが良い。

こんなかわいい豆菓子がついてくるのも嬉しい。

涼しい店内でゆっくり過ごして生き返りました。なのでお土産を求めて店をめぐります。

まず妻が注目したのがお塩です。出雲かみしおさんです。

なぜに塩?と私は思いましたが、店内にいるコンパニオン風な店員さんに引き寄せられて入店。前日訪れた稲佐の浜でくみ上げた海水から店主一人で作っているという塩。

試食してみたら、さすがは海水を煮詰めた手作り塩で旨味が豊富。邪気を払うパワーのある、日本一縁起の良い塩だそうです。

この神迎塩はお値段は結構しますが、妻はお守りに入れる分と職場で配る分と我が家の食卓用と大量購入して塩とは思えない値段を支払っていましたが。縁起が良いならば良いのでしょう。帰宅後この塩で早速おにぎりを作ってもらいましたが大変美味しかったです。

さらに出雲ならではというか、勾玉を扱ったお土産屋さんが多いのです。

勾玉は昔に、今夜向かう玉造温泉辺りで採れるメノウでつくられた松江が中心産地で古代の装身具です。魔除けや幸運を呼ぶお守りです。

勾玉の根付けや箸置きなどを購入しました。

お土産も完了。駐車場から車を出して走って3分。出雲博物館に行きます。

正式には島根県立古代出雲歴史博物館、です。(画像は公式フェイスブックより)

ここがもう素晴らしい博物館でした。古代出雲のことから出雲のことなら近代まですべてわかります。とてもわかりやすく貴重な展示物が並びます。出雲大社の縁結びだけではなく是非こちらも訪れて出雲の歴史を知って欲しいと思いました。

すごく立派な建物です。私は案内係のおねいさん達が出雲っぽいデザインのコンパニオン風なユニフォームの雰囲気にふらふらと吸い込まれていきます。

なんとこの博物館内はストロボを使わなければ撮影しても良いという太っ腹な博物館なのです。バシバシ写真を撮りましたよ。

前回の出雲大社の記事で触れた、古代本殿が高層建築であった証拠の柱です。発掘された巨大な柱が展示されています。

出雲大社には本殿は高さが48メートルだったという言い伝えがあった。鎌倉時代の出雲大社の図面には三本に束ねた巨大な柱が記載されていた。しかし、現在の15階建てに相当する高層建築が古代にあったとは信じられず、うっそだー、と思われていました。

しかし2000年の工事中にこの三本柱が発見され、発掘の結果前回の記事にあった本殿前の地面に赤い丸で描かれた位置に柱が存在していたのです。巨大高層神殿は実在していたのです。その柱の実物が上の写真。

そしてその柱より想像された本殿の模型がこちら。

すっごい。こんな階段上るのが大変です。

この三本に束ねた柱で支えた高層建築。

すごいですね。けど私も考古学の仕事されている方を何人か知っていますけど、彼らの想像力はすごい。一片のかけらから埴輪全体を作っちゃいますから。

そんな想像模型ですが、4名の考古学者さんの想像模型が並びます。私的にはこの画像の手前左側の2点くらいの規模じゃないかなあ。こんな感じじゃないかと思いますけどw。

この本殿にまつわる展示がたくさんあって楽しめました。神事をビデオで紹介してくれるなど飽きさせません。

そして、今回すごかったのがこれ。

大量の銅剣です。その数358本。下段が実物本物。上段が当時の輝きを再現したレプリカです。

1984年に荒神谷遺跡の発掘調査で発見されました。それまで全国で出土した銅剣は300本余りで、それを上回る358本を一か所で発掘したという大発見です。

さらに翌年、ここから7メートル離れた場所で教科書でもおなじみの銅鐸6個、銅矛16本という青銅器が発見されました。これらはすべて国宝です。

これの何がすごかったかというと。

それまで出雲は古事記など神話の舞台として登場していましたが、それを裏付ける出土品が少なかったため、出雲は神話という物語の中の場所的な扱いでした。しかし、この発見で古代に出雲王国が存在し神話のような出来事があったんじゃね?的な考古学上でも出雲は注目されるようになったのです。

この銅剣なぜ纏まって埋まっていたのか?実戦用よりも祭事用ではなかったとか諸説あるようです。

今回この企画展も併設されていたのでとても良かったです。

国宝の銅鐸。

これも国宝。

そして有名な三角縁神獣鏡です。出雲の古墳から出土しています。重要文化財。全国にたくさんあるこの鏡の中でこれは珍しいもの。

 

古墳時代に作られ500枚以上がすでに出土しています。謎の鏡です。卑弥呼に中国魏から100枚贈られたといわれる鏡ですが、それよりも多い出土数と中国本土では1枚もはっきりと出土していないという謎。ほとんどが国産品ともいわれています。

しかしこの出雲出土品は、全国でも数少ないその魏の元号が刻まれている鏡なのです。これこそが卑弥呼の鏡なのでは?と言われているのです。すごいな。

今回一番驚いたのがこれ。大刀ですが輝いているのです。

大正時代に発見され、出土当時は鞘から刀身が引き抜けたとか。ほとんど錆びていないで残っていた古墳時代(6-7世紀)の刀です。美しかった。重要文化財。

ふう。なんて内容の濃い博物館なんでしょうか。半日でもすべて見られません、ここは一日かかります。2時間の滞在予定でしたが妻がじっくりと見てなかなか進まないので4時間滞在。それでも半分も見られませんでしたね。

お昼もかなり過ぎてお腹が空きました。館内におしゃれなカフェがあります。

まるかふぇ・さんです。日替わりのまるランチドリンクセットです。

この日はハンバーグセットです。古代米でしょうか出雲っぽい。

サラダに乗ってる人参が勾玉型になっていてさらに出雲っぽい。

とてもおいしかった。出雲大社方面の眺めが良くてきれいなお庭が眺められます。

じっくり博物館を見て、このカフェで休んで癒されました。博物館に来たらぜひ寄ってみて。

その後ミュージアムショップによってお土産を購入。妻は三角縁神獣鏡の手鏡を購入しました。

さあ出発。今夜は今回の旅行の重要な目的地の一つ玉造温泉です。超高級旅館に宿泊するのでチェックイン時間の3時には到着する計画でしたが、博物館を出たのが4時過ぎでした・・。それだけ見どころのある博物館でした。

何時に着くのか高速を走って玉造温泉に向かいます。

次回に続きます。