ずっとこの空の下で2

もう会えない君も今この空の下にいる。

島根の旅⑥神話の舞台・黄泉比良坂はあの世の境界

島根の旅二日目、足立美術館の庭園を堪能した後に向かったのは、神話の舞台である松江市の黄泉比良坂(よもつひらさか)です。

うちの妻のように神話好きな人でないと知らないマニアックな場所です。だいいち名称読めないし。妻は大喜びですが。

場所は足立美術館から車でそんなに遠くはなかったので寄ってみました。ただ住宅街から細い道を山に入っていくわかりにくい場所。

石柱にしめ縄の結界があります。この坂の向こうが黄泉の国、現世ではないあの世です。

日本神話「古事記」に出てくる話です。生者の住む現世と死者の住む黄泉との境目にあるという坂の伝承地です。

そのストーリーとは簡単に書きますと。

日本を作った男神イザナギと女神イザナミ。火の神を生んだ時のやけどで亡くなり黄泉の国へ行ったイザナミを追いかけてイザナギはこの坂を上り黄泉の国へ行きました。しかし腐敗したイザナミを見てイザナギは逃げ出します。怒ったイザナミは黄泉軍に追わせますがイザナギはこの坂で桃の実を投げて応戦。最後は追いかけてきたイザナミを坂にあった大石で塞いで逃れた。

その大石がこちら。

この石で黄泉の国の入り口をふさいだのです。

むう、この石の先があの世なのか?二つの石の間に隙間があるので私はするりと向こう側へ。ここが黄泉の国なのか。けどするりとまた現世へ戻れました。

結構怖い話の舞台ですが、静かで神秘的な場所です。投げつけたという桃の木が生えて、池のある森の中です。

東屋もあって休憩ができます。

坂の上から見た駐車場は小さいながら数台駐車可能です。この車の向こうの坂を上ってここまで歩くのです。

地元の方々がとてもきれいに整備されています。東屋の中にはパンフレットが用意されています。ガイドや情報動画などQRコードで見られます。とてもありがたいです。

そしてこの黄泉の国ポスト。天国(黄泉の国)への手紙を投函できます。

妖怪ポストっぽいですが・・。ここに投函された手紙は地元の方々により年に一度お焚き上げがされて天国の人に届くと言われています。

妻は亡きお母さんへの手紙を書きました。

どんなことを書いたのでしょうか。その姿に私はちょっぴりホロリと。妻は神話の伝承地として、そして天国のお母さんに繋がる場所としてこの地を訪れたのです。

投函の際は下の箱に寄付をお願いします。

静かな良い場所でした。何か、この世とは違う神秘的な雰囲気を感じましたよ・・。

滞在中にここへ来たのは我々以外にバイク乗りのお兄さん一人と防犯見回りでバイクで来たお巡りさんだけでした。

途中の道はとても狭いので対向車が来たら難しいです。どうかお気をつけて通行してください。道を譲ってくださった地元の方ありがとうございました。

静寂の神聖な場所。不思議な雰囲気の空気を感じながら帰りました。

さあ高速を走って、神話の国である出雲を目指します。

次回に続きます。