前回の続きです。
夫婦で四万温泉の老舗旅館「積善館」山荘に宿泊しています。その3回目は温泉のお風呂巡りです。
積善館のお風呂だと、一番有名なのがこの「元禄の湯」ですね。歴史あるこの景色が素晴らしい。

最初にお断りしておきますが、積善館の浴室での撮影は禁止されております。公式HPによると、
「浴室の撮影はご遠慮いただいております。旅行の思い出、SNSへの投稿のための写真はフォトギャラリーにございます写真をご利用ください」
ということなので、浴室の写真は撮影せずに積善館の公式HPの画像ギャラリーからお借りしております。やっぱプロが撮った写真は素晴らしいです。私の写真とは一味違います。
浴室の入り口にも「お客様から浴室で裸の写真を撮られたという苦情が寄せられていますので・・・」という張り紙がありました。温泉マニアでなくとも撮影したくなるような素敵なお風呂ですから、同性の裸を「ウホッ」な目的で撮ったわけではないでしょうが、やはり誤解を招くような撮影はいけませんね。
さて、四万温泉は源泉はなんと42か所で豊富な湯量があります。そのうち39か所が自噴の自然湧出源泉なのですからすごいです。
四万の病を癒す霊泉であるという伝説から四万温泉という名前になったそうです。
積善館には4か所の浴場があります(数としては6か所かな?)。自家源泉で豊富な湯量でかけ流しです。その源泉場所もガイドツアーで明らかになりましたので後半でご紹介します。そのほかにも温泉風呂付の部屋がいくつもあります。
浴場の場所はこちら。

私は有料予約貸切風呂の2か所は部屋にお風呂があるので入りませんでしたが、そこ以外はすべて入浴しました。
まずは有名な元禄の湯です。これはあの赤い橋の横にある建物の1階部分にあります。
ここですね。

昭和5年に建てられました。1階部分のみ当時は珍しかった鉄筋コンクリートで建てられ、2~3階の木造部分がのっかっている建物です。1階は旅館主催のガイドツアーでの話によると、昭和初期にはすでに財を成していたので当時流行っていたロマネスク様式で建てたとのことで、上部とはマッチングの違和感があるとのことです。
この窓のアーチが素敵ですね。

中之条町有形文化財のお風呂です。
当時はまだ大きな浴槽が一般的ではなかったので5つに分けたとか。

私が入った時は他に誰もおらず、うう写真が撮りたい、と思いましたがそこは耐えます。今回、食事時間を遅番にしたり、チェックアウト時間をオプションで遅くしたりで、他の方がいない時間に上手く入浴が出来ました。
で、もちろん五つの浴槽すべてに入浴しましたw。独り占めでしたから・・。
お湯は湯船の中央下から出ていて、縁からあふれ出ています。

この、なんとも趣のある蛇口が素敵。この時は蛇口からは何も出ていなくて浴槽下からの供給のみでした。

脱衣場は浴室と一緒です。入り口から入って、浴槽から一段上がった場所に棚があり籠が置いてあります。浴室との区切りはありません。昔ながらです。
お湯は微かな硫黄臭でしょうか、それとも油系でしょうか、温泉らしい香りが少しします。成分や効能はあまり興味がないのですが、浴感としては肌がつるつるする感じです。保湿美肌効果があるそうです。かなり温まりますし。
5つの浴槽は昔は明確に温度差があって、各湯船に看板があって何の病に効くとか効能で分けられていたとツアーで聞きました。
今では特に分けてはいないようで私の鈍感な肌ではみな同じ温度に感じましたが・・、一番手前の大きな浴槽はややぬるかったと思います。
ここが最も源泉に近く、源泉と高さが同じな感じで、新鮮なお湯で一番効きそうな気がしました。
さらにツアーでは、江戸の頃は温泉は湯船に入るより蒸し風呂がメインだったと聞きました。
その名残で、浴場の横側に二箇所の「蒸し湯」がありました。

小さくて低い扉を開けてかがむように中へ体を入れます。タイル張りの椅子があります。この中がサウナになっているのです。小さな窓がありますが扉を閉めると、暗いよー狭いよー、と狭い場所が苦手な私は退散しました。サウナ好きな方なら気に入ると思います。
この大正ロマンの趣ある元禄の湯は四万温泉に来たら一度は入ることをお勧めしたいです。

ただ、シャワー付きの洗い場は1か所しかないので、他の浴室で体や髪を洗ってから来た方がいいかもです。基本、湯船に入る前に桶で直接浴槽からお湯を汲んで掛け湯をしましょう。
独り占めした私は5つの浴槽を堪能しつくしました。
次は、佳松亭にある「杜の湯(もりのゆ)」です。ここは新しいですね。

内湯はかなり広いです。お湯がザバザバと掛け流されています。床はこの画像と違って畳敷きになっていましたね。シャワー付きのカランもたくさんあります。
なのでまずは体を洗うため、こちらへチェックイン直後に来ましたので独り占め状態です。
ですが内湯はかなり熱くて入れませんでした・・。
では、と露天風呂へ。そのまま横の扉から外へ出られます。

木々に囲まれて良い景色です。圧倒的には広くはないですが、ゆったりくつろげます。
お湯の注がれている場所と広い場所がやや分かれているので温度差があって自分好みの温度が選べます。ややぬるめの場所でゆったりできました。
ただ夏場の露天風呂あるあるで、アブが凄かった。アブは血を吸いに来ますので要注意です。
内湯に逃れましたが、そこにもアブが1匹飛んでいます。あとから来た方がやられないかと教えようと思いましたが、その方はすかさず桶で止まったアブを一撃で撃退しましたので流石ですw。
体が慣れたのか内湯にも入れましたが長湯は無理・・。
杜の湯は綺麗でくつろげるので、夏以外だったらおすすめですね。
最後に、山荘の湯です。
ここは私たちが宿泊した山荘にあって、内カギをかけて貸し切りで使えます。家族風呂とも呼ばれています。

かなり広く浴槽が二つあります。底の穴からお湯が出ていて縁からあふれ出しています。
山荘の湯は隣り合わせで2か所あります。私が入った方は窓がステンドグラス調になっていました。
札が下がっていて空いていますになっていれば入れます。札をひっくり返して入浴中にして扉の鍵を閉めればオッケー。
割と人気があって誰かしら入っていましたが、食事を遅番にしたりチェックアウト近くとかずらせば空いていました。
ここは意外と穴場で、私は地方の温泉場の地元風呂っぽくて気に入りました。この感じとても好きです。貸し切りできるのでたっぷりと堪能しましたよ。
ところで積善館の源泉場所ですが、ガイドツアーで旅館の方に案内していただきました。意外と見える場所にあります。
例の赤い橋から、新湯川の上流を眺めます。ここに積善館の自家源泉があります。

この新湯川の川底から湧出しています。元禄の湯の端から廊下の橋の下くらいの岩盤からお湯があふれている辺りだそうです。

画像中央辺りのここから自噴しています。冬場は川からも湯けむりが上がるそうです。
川底から自噴する温泉地は多いですよね。長年の川の流れが岩盤を侵食して削り、湯脈のある地層を露出させて地層の間からお湯が噴き出す仕組みです。
窓の位置からほぼ源泉と元禄の湯の浴槽は同じ高さなのがわかります。昔は従業員が桶で汲んで浴室に運んでいたそうです。川が増水した際には汲んでいて川に流された従業員もいたそうです。その後水車を使ったり、今ではポンプを使って佳松亭まで運んでいるのでしょう。
湯温が高いので、本館の壱番館の床下にパイプを巡らせて湯温を下げて、そこの床暖房に使われています。
これだけたくさんの浴場があると温度管理も大変でしょう。
入浴時間ですが、朝5時から深夜1時までです。夜中だけ入れません。杜の湯のみ5:00~11:00、14:00~25:00でお昼は入れないので、本館の13時早めチェックインプランや、山荘・佳松亭の12時までの有料チェックアウト延長をした場合は注意が必要です。
ちなみに日帰り入浴で入浴できるのは元禄の湯のみです。杜の湯、山荘の湯、宿泊棟へは入れません。詳しくは公式HPまで。
また四万温泉は飲泉も可能です。なんか飲泉発祥の温泉場だとか聞いたような。この積善館も飲泉の許可を取っているので飲めます。
元禄の湯の入り口付近に飲泉場がありました。

本館の受付前に紙コップが置いてあるので頂いてきます。「日本三大胃腸病の名湯」の一つだそうで、熱いまま飲むと下痢に、冷まして飲むと便秘に効くそうです。
飲んでみると、薄い塩味で少し出汁感のあるお湯です。美味しいわけではないですがまずくもないので飲めます。薄いだし汁だと思えば白湯代わりに飲んでも良いかも。空腹時に飲むと効果的で一日コップ3杯までだそうです。是非飲んでみてください。私は飲んだおかげか夕ご飯がたくさん食べられましたよ。
おっと忘れていました。宿泊した山荘の部屋にも素敵なお風呂がありました。
山荘・大正モダン和洋特別室「萌黄の二」の部屋付き温泉半露天風呂です。こちらは自分の部屋なので撮影させていただきました。

クラシックな感じがたまりません。外の緑と涼風を感じながらゆったり入りました。
自分たちのためだけに、四万温泉のお湯がずっとかけ流しされているという贅沢さ。

何度も入って、四万温泉で世のちりを洗いましたと、群馬県民にしかわからないネタで温泉の話しはおしまいです。
は~、温泉を堪能しました・・。
次回に続きます。